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インキを使わない印刷2019年07月05日

先月、京都大学の物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)のシバニア・イーサン教授と伊藤真陽特定助教授らの研究グループが、インキを使わないフルカラー印刷を開発したと発表しました。(詳しくはこちらをご覧ください)

いったいどのように行われたのでしょうか?

タマムシなどの昆虫の翅は、角度によって様々な色に輝いて見えますが、これは「構造色」といい、従来の色料による発色とは違うものです。
表面の微細な凹凸や内部の多重な層構造などによって光の反射角度が変化し、様々な色に発色して見えています。

今回の発明は、まずアクリル樹脂やポリカーボネートなどの透明な素材上に、印刷したいものをかたどった「マスク」を置いて光を当てます。
その後溶剤に漬けると、露光した部分のシートがひび割れて内部に繊維状の層構造ができ、それをナノメートルサイズでコントロールすることで特定の部分が反射して発色して見えるようになるそうです。

この方法の印刷はインキを使用しないため、退色せずごく小さいサイズでも高精細の印刷が可能です。
一方で、発表によると画像解像度14000dpiまでの大規模な印刷も可能とのこと。
元々構造色を印刷する方法もあったそうですが、今回は安価に・高精細で実現ができたというのが大きいようです。

この技術の応用によって、屋外に設置するようなものから紙幣の偽装防止まで、様々な場所でも利用が期待されています。

33.jpg 
 同チーム発表の参考図では、
こちらの絵が幅1mmでカラー印刷されました

Y.I